「ツッコミ術」を使ってくる人への対抗策にもなる/村瀬健『最強のコミュニケーション ツッコミ術』
「最強のコミュニケーション」のタイトルは偽りではありません。
少なくとも今まで私が読んだコミュニケーション本、会話本の中では最も役に立つこと間違いない1冊です。
書籍の中に会話例があります。
そこに書かれている会話例が私にとっては多少"キツイ"ことなのです。
長めになりますが引用してみます。
【悪い例】
先輩 「今日は部長が出張でいないから、みんなのびのび働いているな」
あなた「ですね、正直、気が楽ですよ」
先輩 「おまえ、俺が出張でいない時も、影で同じこと言ってんだろう?」
あなた「言ってませんよ、先輩が出張でいないときにそんな陰口なんて!私が影で先輩のことをそんな悪くいうわけないじゃないですか!」
先輩 「本当かよ。どうせおまえ、『あいつはこの会社で一番仕事ができないくせに、人一倍偉そうにしやがる』とか言ってんだろう?」
あなた「言ってませんよ、先輩は仕事がむちゃくちゃできるのにそんなこと!地下って言いますけど、私は陰で絶対そんなこと言わないです!」
【良い例】
先輩 「今日は部長が出張でいないから、みんなのびのび働いているな」
あなた「ですね。正直、気が楽ですよ」
先輩 「おまえ、俺が出張でいない時も、陰で同じこと言ってんだろう?」
あなた「言ってませんよ!私がそんなこと言うわけねいでしょ!」
先輩 「本当かよ。どうせおまえ、『あいつはこの会社で一番仕事ができないくせに、人一倍偉そうにしやがる』とか言ってんだろう?」
あなた「言ってませんよ、だから!そもそも先輩は仕事できるじゃないですか!」
ここは「セリフが長すぎるとツッコミの焦点がぼやける」という話です。
会話例からコミュニケーション術を学ぶべきところなのですが、私は別のことが頭に浮かびました。
こういう会話キツイな......
と。
所謂、「いじられる」という状態です。
私自身、こんな状況は過去に何回も経験してきました。
その度に上手に受け答えすることが出来ず、嫌な思いをしたものです。
返しが上手くできないのも、いじられることが苦手な原因ですが、
「いじりいじられる会話をすることの面白さを理解できない」のも苦手な原因です。
こんな会話をふっかけてきて何が面白いのだろうか?
そう感じてやる気をなくしてしまうのです。
(昔、いじられることはいいことだ、チャンスだと言ってた先輩がいたな......)
向こうが楽しもうと、面白い会話をしようとして話しかけてくるのはわかるんですけどね......。
必要以上の会話はしたくないと思っているんだろうな、私。
なんだか自分の弱点や嫌な部分を再認識した読書となりました。
本自体は素晴らしいです。
使える会話術は多く、会話の他人とは違う着眼点に気づく教科書にもなりえます。
バラエティ番組を見る視点も変わります。
この会話術が少しでも出来るようになればコミュニケーションが楽になるのだろうなとは思います。
その一方で、こんなコミュニケーションがしたいのだろうか?とも思うわけです。
思うわけだが、コミュニケーション術によって、自分のやりたいようなコミュニケーションに持っていけるのなら、やはり身につけるべきなのかなと考えている次第です。