生存疾走更新

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ハピネスチャージプリキュア!の”バラバラ感”

www.toei-anim.co.jp

 

書こう書こうと思って、ついに書く時がやってきました。

 

 

 

 

不安だらけのスタッフ発表

ドキドキ!プリキュアの後番組のハピネスチャージプリキュア!

最初情報を見た時は不安だらけだったんですね。

長峯達也監督に成田良美シリーズ構成。

え?

大丈夫か?

これは、......最低傑作になるんじゃないか?

 

そう思った。

過去のプリキュア5、ハートキャッチプリキュアを見ていれば、不安にもなる。

恋愛方面への傾き、ハートキャッチの...軽さ、って表現でいいのかな?

それなりに重いテーマを扱っているのに、わちゃわちゃ動かしてキャラクターも軽く動かしてしまうようなあの感覚。

どうにもハートキャッチを受け入れなかったものなので。

仕事だからこないしちゃいますよー感覚とでも言えばいいのか。

できてしまうから深く考えないのか。

あるいは深く考えないからできてしまうのか。

あの、ダメ感覚を覚えている。

 

 

とまあ、不安いっぱいの中ドキドキ!プリキュアは終了。

最終回に不満はあったものの、序盤の面白さを保ったまま駆け抜けたこの作品が私は大好きです。

 

 

第1話

翌週、考えがまとまらないまま見たハピネス第1話。

 

面白い。

あれ?面白いじゃないか。

この面白さがあったなら、前作のように一定のエンタメを供給してくれるんじゃないのか?

なんて上から目線で思っていたものです。

 

 

ひめの成長

今思えば私は白雪ひめの成長が見たくて見続けていたんですね。

サイアークが放たれた原因は何なのか?

多くの被害を受けた祖国を救うプリンセスになれるのか?

誠司とくっつくのはひめなんじゃないの?とか。

そこが見たかったんですね。え?めぐみ?それはあんまりいい。

 

 

 

序盤の面白いところ

第4話。ひめの緊張する気持ちと、善意のまま実は相手の気持ちを考えていないめぐみを描いた回。

敵にやられる弱さと、それを乗り越えるプリンセスの強さを描いています。

脚本の田中仁さんのいいところがすごく現れています。

 

第8話。これも田中仁さん回。

不吉な占いからギャグ顔(って言い方で合ってる?)をうまく利用して殺伐となりがちな戦闘を楽しく見せつつ、敵の強さも見せる。

「占い、当たっちゃうのかな」のピンチからのキュアフォーチュン参入。

 

とにかく序盤には楽しさがありますね。

 

期待は持続します。

 

 

続く第9話も好きな回です。

ピンチになることも含めて戦いをきちんと描き、キュアハニーの歌による転局→防御の動きを利用した反撃という戦いの面白さを見る事が出来ました。

で、歌で締めくくるラストもひたすら楽しい。

 

キュアフォーチュンの横槍(?)なりマイナスのメッセージを乗り越えながら、どうひめとめぐみが絆を紡いでいくかを期待していたんですね。私は。

 

さて、その後どうなったか。

 

 

第12話。

野球と上野ケンさんの作画が楽しい。

なぜめぐみちゃんをバカな主人公にしたんだろう?

 

 

ドキドキ!プリキュアで使われた曲が使われると私は嬉しくなります。

 

 

第19話。

サッカーの後、フォーチュン(いおな)はラブリーとハニーだけをチームに誘って、プリンセスを排除しようとします。

あぁやっと話が動いた。

この問題。この課題をどう乗り越えるのか。ここが見たかったのです。

期待半分不安半分で次の週を待ちます。

 

 

第20話。

やっと明かされるアクシアの秘密。

自分の過去の過ちにどう向き合うのか。

その事実をめぐみはどう受け入れるのか。

 

逃げるひめ。

 

事実を隠していた事実を自分自身にどう決着をつけるのか。

 

結構重い話ですよ。

大変重いですよ。

 

相当なエネルギーを込めて作らないと、いい活劇にはならない。

 

 

って時にサイアークですか。

サイアークどころじゃないって。

 

ゆうこ「私はひめのことが大好き」

それでいいのか。

 

あれ、これ田中仁さんの回?

 

 

え、こうなるの?もっともっとえぐらなければいけないのに。

次回はどうなるのだろう?

 

 

 

第21話「ひめの過去の過ち。怒りのキュアフォーチュン」

この大事な時に、めぐみはいおなの所か!

何だろうこの話。

 

ブルーに聞いたって無駄ですよ。

 

 

ひめは友達に嫌われた(と思った)ことに悩んでいるのか。

それとも世界を最悪に導いたことを悔やんでいるのか。考えているのか。

 

後者のことをやんなきゃいけないはずなんですけどね。

 

どんな時も友達だと言い切るめぐみとひめ。

 

めぐみ「開けちゃったものはしょうがないよ」「悪いのはひめじゃなくて幻影帝国だよ」

(これ、前作品でキュアソードが使って、2度も使えませんよ。)

 

 

んん〜、脚本の合理性がなってないんじゃないか。

 

「自分よりフォーチュンを選んだめぐみ」というひめと「世界の災いが全て自分のせい」というひめ。

これが整理されて、シナリオになっているとは思えない。

 

世界自体を悲劇に追い込んでいる時に、”自分ごと”に構っている余裕があるだろうか?

いや、ひめはある意味そういう子である。

「私のことは放っておいて」ということ自体、逃げていることである。

一人でいる時にあれこれ悩んでいるのかもしれない。

自分に誰かが近づいてくるとヤマアラシのジレンマのように反発してしまう。

そういうことなのか。

もしかしたら一人の時も考えないようにしていたのかもしれない。

逃げていたことが襲いかかってくる。

そのことに対処する能力はない。

だからまた逃げる。

 

ひめ自体はそういう人物でいいとしても。

 

 

作り手側がそれで終わっていいわけないですよね。

  • アクシアを開けたことの責任をどうつけるのか。
  • ファントムに捕らえられたプリキュア達をどう救うのか。
  • これからも少女達がプリキュアにされることをどう考えるのか。
  • 娘を戦場に取られた親はどう思うのか。
  • 世界に災いを巻きながら自身も最大の被害者であるひめをどう救うのか。
  • そしてそのひめを周囲がどう許すのか。あるいは手打ちにするのか。

作中のキャラクターが考えれないなら、作り手側が考えなければいけない。

その痕跡はあったのだろうか。

 

少なくとも、めぐみとゆうこは殆ど何も考えていない。

何があってもひめを許すというスタンス。

”理解”なんてしていない。

いおなはひめを許さない。

 

結局、解決はひめ一人に負担が集中する。

 

 この時点でもうあまり考えていないことがわかります。

特にめぐみは立ち位置的にも最もひめの理解に努めなければいけないのに、どんなことがあっても友達であり続けるというだけのスタンス。

これがスタッフの基本姿勢なのだろう。(※個人の感想です。)

けれども、世界を巻き込んだという事実はあるから、災いの張本人で、その気持ちをわかってもらえないひめの心は存在し、残るわけだ。

 

解決も解決策も出されないまま、時間が過ぎていきます。

 

 

 

こういうのって、喧嘩とか、仲違いの後の仲直りみたいな、「子供の解決法」ではなく、もっと責任を取り、成果を導く「大人の解決法」を示さなければいけないんですよ。

 

いや、もちろんプリキュアは子供向け作品ですが、こうも大きく深刻なことをやったのでは、大きなやり方を示さなければいけません。

設定が大きく深いと、その分始末も大きくなる。

結構残酷ないらん設定多いなぁ。

 

 

成田先生回か。むべなるかな。

あ、SD演出回でもあるのね。

 

 

 

第22話

あれだけプリンセスを憎んでいたフォーチュンが「違う。悪いのはあなたじゃない」と言った時点でこの作品は終わったんだ。

人を憎む気持ちだってそんなに簡単に消えないよ。

人の気持ちってそんなに簡単に扱っていいの?

あとなんでフォーチュンピアノの音声がぐらさんじゃなてリボンなんだろう。どうでもいいか。

 

プリンセスを許さないフォーチュンと自分の罪に向き合うプリンセスの縦糸がしょーもなく終わって、ハピネスチャージプリキュア!は第2部に移るのでした。

 

私の期待していたハピネスチャージはここで終わりました。

 

 

 

もうちょっと面白いエピソードがあるので続けます。

 

 

 

 

後半

クイーンミラージュが共通の敵と認識して後半戦が始まります。

 

フォーチュンはもともと持っていた性格や設定が弱くなった為に、弱いキャラになったな〜。「Holy Lonely Justice」凄いいい曲なのに勿体ない事になった。

 

 

誠司とくっつくのはひめだと思っていたけど、これまでのプリキュアと全然違うんですね。誠司くんはギンギンの若者なんだ。

 

 

 

第26話

田中仁さん回。

ひめのわがままさが書けていて凄い好きです。

 

ひめと誠司の恋愛フラグが立つんだけど、消えちゃうんだな。

こっちの方が合ってると思うけど。

 

 

 

第27話

ブコメとして面白い回。

 絵も声も面白い。

ブルーはどうでもいい。

 

シナリオの都合でひめの恋愛は折られたのであった。

ここでも犠牲になるんだね。

 

これでひめのお話は実質おしまいか。

 

 

 

こうして見返してみると、リアルタイム当時より、問題がめちゃくちゃ多いんだなと理解させられます。

 

 

 

 

第30話

田中仁さん回。

愛乃めぐみの本質に迫る内容をやりつつ、やり切れていない回です。

アンラブリーが言うように、「誰かの役に立ってありがとうを言われること」だけが、めぐみの見ているものなのです。

仲間に励まされて立ち直ったけど、何も答えを出していませんよ。

この作品こんなのばっかりか。

 

 

第35話

最後の田中仁さん回。

子供向け作品としてちゃんと論理構成しているんだな。

論理構成があるから仁さんの作品は好きなのかもしれない。

 

 

 

第38話

ただブルーと地球を不幸にしたいだけだったのね。ミラージュ。論理も何もない。

テンダーからフォーチュンへの攻撃をラブリーが受けたけど、そこはプリンセスだろ!

 

歌か。挿入歌を使うのは好きですけど。演出派手なことをやってはいますけど、 作品の中身が伴わないとね。

 

 

自分に一人に注ぎ込まれない愛情に不満を抱いたり、嫉妬したりするのが女性らしい感情なのかもしれませんけど、それってもう古いんじゃないのかな。

 

 

第41話

お前が言うなあああああああああああああああ!」に100万票。

 

 

 

 

第44話

最終回です。

最終回ですね。

レッドの誘惑を断ち切るには上野ケンさんの強力な作画が必要だったのか。

勇気が生まれる場所。

 

 

第45話〜第49(最終)話

成田先生的にはこういうことやりたかったんでしょうね。

別世界に連れて行ってくれそうなお兄さんとの恋愛にうつつを抜かしていたけど、身近に自分のことを大変強く思ってくれる幼馴染がいるというお話。

理想の幼馴染なのでしょう。

 

めぐみと誠司のドラマになるなんて思ってないですよ。もう。

プリキュアじゃねぇ。

 

 

キャラクターに愛がなかったり、よく理解していないと簡単に悪堕ちさせたりしますね。

この作品どれだけ多い。ミラージュ、テンダー、誠司、ラブリーまでなりかけた。

ドラゴンボールGTの際もそう思ったんですよ。

 

 

レッドの言い分は破綻。

言い返すラブリーも破綻。

作品も破綻したまま終わります。

 

能力が足りていないのに、シリアスなことをやるから。

 

 

おまけにブルーとレッドが兄弟。

最低だよ。

 

 

ブルーが地球を去って本当によかったぁ〜〜〜!!!

 

これが一番いいことだ。

 

 

最終回の全てのセリフが虚しい。

作品の破綻はここに集まっているんですね。

本来なら第1話からの繋がりと収束を持って表現してもらうんですよね。

 

絵やキャラクターに力を感じない。

あぁ、どうしようもない最終回だ。

最終回に命を感じないって。。。

 

 

 

 

 

長く書きました。

さて、今回のタイトルに”バラバラ感”とあります。

私がいつそう思ったのかを思い出して見ます。

劇場版の頃にそう感じたんですね。

なんだかこの4人バラバラだ。

これまでのプリキュアシリーズにあった「何か」がないと。

それが何なのか。

考えて本を読みます。

 

プリキュア10周年公式アニバーサリーブック

プリキュア10周年公式アニバーサリーブック

 

 ↑この本の内容量は凄い。

 

 

 

 ↑この本。この本に大事な内容が詰まっています。

監督(長峯達也 (@atagawaatami) | Twitter)曰く、「めぐみは自分に興味がない子」だそうなのです。

それって何だ?

自分に興味関心がない人間がいるのか?

自分の欲望や欲求に目を向けず、他者の幸せを叶えることばかり考えたりするものなのか?

なんでそんな難しいキャラにしたんだ?

私にとって未知のことでも、そうであると設定されているのなら、そう考えてみる。

これまでのプリキュアは自分のことを犠牲にしたり、ないがしろにしてきたりはしなかった。

自分の願いも、誰かの願いも、どちらも大切にするキャラクター達がいたはずだ。

はっ!

自分のことを考えられない人間に他者の理解ができるものか。

そうなると第21話でひめの理解に向かわなかったのもわからないではない。

プリキュアは、相性の違う2人がぶつかり合い、理解しながら成長していくものだと思っています。

ところが本作はめぐみがひめの罪に向き合うことはなかった。

この事実が、私がバラバラ感を持った原因なのでしょう。

 

 

 ↑この絵の力の無さよ。

 

 

 

期待していたのにね。第1話見た限りでは。

得るべき成長も得ず、真の友達にもなれず。

 

 

 

結局、一番最初の予想通り、シリーズ最低傑作になってしまいました。

何でこのSDとシリーズ構成でやろうと思ったのか。

 

 

ドキドキ!プリキュアから始まった第3期プリキュアシリーズは、実は結構好きなのです。

それがあっという間に終わりか。

 

 

 

 

 

その後のプリキュアシリーズ

次回作のGo!プリンセスプリキュアもメンバーがバラバラな作品でしたけど、これについて文句はありません。

なぜなら最初から単独ヒロイン路線だからです。そう思えるから。

プロデューサーも交代し、Go!プリ以降は第4期プリキュアシリーズになっています。

他者に関心のないキャラクター達。

絆や関係性の書き方が過去シリーズと違って浅い。

終わってしまったんだな。

あのどうしようもないハピネスチャージの最終回で、初代から連綿と受け継がれてきたプリキュアの何かが、終わってしまったのです。

いつかこういう時が来るのだろうとは思っていましたが、それがドキドキ!プリキュアの後に来るなんて。

本当に終わる時というのは、こういうものなのですね。

 

 

現在のシリーズは、それプリキュアじゃなくてもいいよね、と言われることを「やる」と、既に選択してしまっています。

これがいい事なのか、悪い事なのか。

答えは数年後に出されます。

私の好きになったプリキュアシリーズは一度終わった。ありがとう。

また復活するかもしれないその時まで、さようなら。